欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/8/4

経済産業情報

繊維製品、大幅値上げの見通し

この記事の要約

衣料など繊維製品の価格が今後数カ月で少なくとも5%、多ければ10%以上引き上げられる見通しだ。繊維メーカー業界団体Textil+Modeのハインツ・ホーン会長が7月27日付『ヴェルト』紙のインタビューで明らかにした。\ […]

衣料など繊維製品の価格が今後数カ月で少なくとも5%、多ければ10%以上引き上げられる見通しだ。繊維メーカー業界団体Textil+Modeのハインツ・ホーン会長が7月27日付『ヴェルト』紙のインタビューで明らかにした。

\

値上げの最大の原因は原料の綿価格の急騰だ。投機やアジアでの需要増加を受け、1トン当たりの取引価格はここ数カ月で約20%上昇したという。中国の裁縫工場の労働者の賃金が10%以上増加するなど人件費も上昇。さらに流通コストも上がっており、繊維製品の値上げはやむを得ないという。

\

国内繊維業界の売上高は昨年、経済危機の影響を受けて前年比20%減の約300億ユーロに落ち込んだ。今年も製品の値上げによるマイナス影響が懸念されるものの、Textil+Modeが業界企業400社を対象に実施した最新アンケート調査では、受注の好調が今後も続くとの回答が9割に達した。今年のこれまでの売り上げについても3分の2が満足と回答しており、業界の通期売上は前年比5%増が見込まれている。

\

ホーン会長によると、売上増のカギを握るのはイノベーション。衣料品では機能性を重視した製品の開発、産業用繊維製品では医療や自動車、航空機業界など新たな顧客開拓が増収につながる。

\