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2010/8/4

経済産業情報

超大型トラックの導入試験、結果は良好

この記事の要約

独テューリンゲン州のエアフルト専門大学はこのほど、同州で1年半にわたり実施された超大型トレーラー「ユーロコンビ(EuroCombi)」の実用試験プロジェクトについて、「環境、経済の両面で大きなプラス効果が確認された」との […]

独テューリンゲン州のエアフルト専門大学はこのほど、同州で1年半にわたり実施された超大型トレーラー「ユーロコンビ(EuroCombi)」の実用試験プロジェクトについて、「環境、経済の両面で大きなプラス効果が確認された」との結論を明らかにした。通常のトラックよりものべ走行距離を短縮化し燃料を節約できるうえ、道路に与える負担も少ないという。同州の交通省はこれを受け、さらに規模の大きい実用試験を実施する方針だ。

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ユーロコンビはコンテナを積載したトレーラーを複数連結できる長大なトラックで、総重量は最大60トンに上る。今回のプロジェクト(2008年3月~09年9月末)では州当局から特別許可を得た地元の運送会社H.Rigterinkが長さ25メートル、総重量40トンの同トラックを2つの支店間(走行距離:約105キロメートル)に投入。1年間で運送距離を35%(8万3,000キロメートル)減らすことができた。エアフルト大学の試算では、年間でディーゼル消費量を1万2,000リットル、二酸化炭素の排出量を18%(32トン)削減できたという。

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また、燃料コストは18%、高速道路の通行料は35%、減価償却コストは30%減少し、経営面でもプラス効果があることが分かった。

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懸念されていた交通インフラへの負担については、道路表面への負荷が通常のトラックより大幅に少ないことが判明。カーブなど運転の安全性でも危険性は検証されなかった。

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ただ、ユーロコンビは狭い道路を走行できないため、将来も従来のトラックに全面的にとって代わる可能性はない。また、採算がとれるのは、従来型のトラックによる輸送を1日に何回も行う区間に投入する場合に限られるという。

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