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2010/8/4

経済産業情報

ドイツ人は飲酒過多、発がんリスク上昇に警鐘

この記事の要約

ドイツ薬物問題中央センター(DHS)はこのほど、ドイツ人の飲酒習慣ががんをはじめとする様々な病気の原因になっていると指摘、飲酒量を減らすために何らかの対策を取る必要があると訴えた。ドイツは世界5位の飲酒国で、1人当たりの […]

ドイツ薬物問題中央センター(DHS)はこのほど、ドイツ人の飲酒習慣ががんをはじめとする様々な病気の原因になっていると指摘、飲酒量を減らすために何らかの対策を取る必要があると訴えた。ドイツは世界5位の飲酒国で、1人当たりの年間アルコール摂取量は平均10リットル、18~64歳では同12リットルに上る。病気予防には年3リットルに抑える必要があるという。

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ハイデルベルクのザーレム病院アルコール研究所によると、世界の年間がん発症件数の3.6%(男性5.2%、女性1.7%)は飲酒が原因。アルコールを毎日50グラム(ワイン0.5リットルに相当)摂取すると、咽頭・食道がんのリスクは2~3倍、大腸がんのリスクは1.4倍に上昇する。80グラム以上だと食道がんのリスクは18倍となり、これに喫煙が加わると44倍に跳ね上がる。肝臓がんのリスクも通常の4.5~7.3倍と高い。

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また、女性では飲酒が乳がんのリスクを高めることが分かっており、1日50グラム以上のアルコール摂取で発がんリスクは50%上昇する。

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DHSはこのため、1日(週5日以下)の飲酒量を男性はビール0.6リットル、ワイン0.3リットル、蒸留酒0.08リットル以下に、女性はそれぞれ男性の半分に抑えることを勧めている。また、そのための対策として、◇アルコール飲料の価格を引き上げる◇販売場所や広告を制限する◇16歳以下の青少年へのアルコール飲料販売を厳しく監視する――などを挙げている。

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