ドイツの中小企業の多くは国外進出に及び腰のようだ。監査法人アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が中小企業の経営者を対象に実施したアンケート調査によると、現地生産、合弁、製品販売など何らかの形で国外事業を展開する企業は全体の43%と、国際的には高い水準にある。ただ、E&Yは「4社に3社(75%)は問題なく国外進出できる」と試算しており、国外進出に踏み切れず成長のチャンスをみすみす逃している企業は少なくないようだ。23日付『ヴェルト』紙が報じた。
\E&Yの担当者は、有望な進出先として中国・ブラジル・インド・ロシアなどいわゆるBRICs諸国を挙げた。同担当によると、中国はフランス、オーストリアに次ぐ市場として中小企業の進出が進む一方、他の国への進出には消極的な姿勢が目立つ。特にブラジルは販売市場、あるいは南米市場への足がかりとしての役割が過小評価されているという。
\アンケートでは中小企業が国外進出に消極的な理由として投資失敗への不安や、現地企業との合弁・提携などによる自社の影響力・決定力の低下への懸念が上がった。また、BRICs進出については◇法制の不備◇政治的な枠組みの不十分さ◇汚職・収賄の横行◇製品の違法コピー――を不安材料に挙げる企業が多かった。
\E&Yの担当者はリスクに対する慎重な姿勢に一定の理解を示しながらも、「BRICs企業は急速に力をつけ、西欧市場への進出を狙っている」と指摘し、国内にとどまるだけでは将来の競争に生き残れなと警鐘を鳴らした。
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