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2010/8/25

総合 - ドイツ経済ニュース

脱税企業250社の情報、州当局に買い取り打診

この記事の要約

ドイツ企業250社の脱税情報の買い取りをバーデン・ヴュルテンベルク州財務省が打診されていることが、22日明らかになった。脱税総額は6億~8億ユーロに上るといい、同省はデータが合法的に得られたものかどうかを精査したうえで、 […]

ドイツ企業250社の脱税情報の買い取りをバーデン・ヴュルテンベルク州財務省が打診されていることが、22日明らかになった。脱税総額は6億~8億ユーロに上るといい、同省はデータが合法的に得られたものかどうかを精査したうえで、合法と判断した場合は買い取る意向だ。ただ、この種のデータが合法的に得られることは通常、考えにいため、最終的には取引に応じない公算が高い。

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脱税はスイスの銀行を利用して行われているもので、取引の打診は数日前に電子メールを通して入った。脱税容疑の250社は通信・不動産業界の企業が多く、情報提供者はサンプルを引き渡す準備があるという。

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ドイツではリヒテンシュタインの銀行に隠し口座を持つ脱税容疑者数百人が2008年に摘発され、ドイツポストのツムヴィンケル社長(当時)などに執行猶予付きの有罪判決が下された。今年に入ってからもスイスの銀行を舞台とした脱税が相次いで発覚している。

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ただ、脱税容疑者データの取得はリヒテンシュタイン、スイスの法律に違反する形で行われており、そうしたデータをドイツの当局が買い取ることには違法性の疑いが付きまとう。このため、バーデン・ヴュルテンベルク州政府は違法入手データの買い取りに対し以前から拒否の態度を明確に打ち出している。

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一方、他の州の政府とドイツ政府は、違法な手段で入手した証拠を無効とする刑事訴訟法上の原則(違法収集証拠排除法則=Beweisverwertungsverbot=)は適用されないとして、これまでのケースで買い取りに応じている。

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