乗用車大手のAudi(インゴルシュタット)が大型車事業を強化する。ブランド全体の販売台数で競合のBMW、Daimlerを抜き高級車の世界トップに躍り出るには、販売規模で見劣りする大型車のテコ入れが不可欠と判断したためで、同クラスの販売台数を2009年の24万5,000台から2015年までに約40万台へと拡大する意向だ。同社のペーター・シュヴァルツェンバウアー販売担当取締役への取材をもとに20日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\Audiは中型、中大型車に強い半面、大型車の販売ではDaimler、BMWに水をあけられている。この現状を打開するため同社は旗艦モデル「A8」に加え、11月からスポーツバック車「A7」を市場投入。同モデルの累計販売で20万台を目指す。顧客の7割は競合ブランドから奪い取る意向だ。
\同社はまた、主要な国外市場の米国と中国で大型車事業を重点強化。2015年までに米国販売に占める大型車の割合を現在の17%から倍増させるほか、中国の大型車販売も67%拡大する。中国では「メード・イン・ジャーマニー」のトップモデルを特に若い富裕層に売り込んでいく。
\Audiの09年販売台数は前年比5.4%減の約95万台だった。経営陣は2015年までにこれを150万台以上に増やし、高級車世界最大手の地位を獲得する計画。
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