投資会社の独ARQUESは23日、固定電話機を製造する独子会社Gigaset(ミュンヘン)の売却交渉を進めていることを明らかにした。買収に関心を示す投資家は複数あり、1社との交渉は進展した段階に達しているという。交渉が近く成立し、年内にも売却手続きが終了すると見込んでいる。これに伴い、Gigasetの元親会社シーメンスとの係争も終息する公算が高まったようだ。
\Gigasetはシーメンスの固定電話機部門を前身としており、ARQUESは2008年10月に過半数資本を4,500万ユーロで買収した。出資比率はARQUESが80.2%で、残り19.8%はシーメンスが保有している。
\シーメンスとARQUESの関係はARQUESが09年10月に予定していた買収金額の初回支払い1,500万ユーロと、Gigasetへの資本注入1,960万ユーロを履行しなかったため悪化。泥沼の係争へと発展した。ただ、ARQUESによると、現在進めるGigasetの売却交渉に「シーメンスは積極的に関与する準備がある」といい、両社の関係は修復の方向にあるようだ。
\売却交渉先は明らかにされていない。24日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、自動車用ハンズフリー機器を生産する独Novero(デュッセルドルフ)が最有力候補という。
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