ドイツ金融監督庁(BaFin)は18日、社会的責任投資をうたった民間銀行noa bank(フランクフルト)に対し閉鎖命令を出した。同国の金融機関が閉鎖処分を受けるのはリーマンショック後初めて。売掛債権の代行回収(ファクタリング)サービスを手がける子会社noa Factoringが17日に会社更生手続きの適用を申請したことを受け、BaFinはnoa bankも支払い不能と債務超過に陥る危険が高まったと判断した。顧客の預金は法律の規定に基づき5万ユーロまで補償される。
\noa bankは1年前の2009年8月に設立されたばかり。高い預金利回りを前面に打ち出し、わずか数カ月で1万5,000人の顧客を獲得した。顧客の預金は主にnoa Factoringへの貸し付けに充てられており、同行の融資総額6,000万ユーロの約半分(2,700万ユーロ)を占める。
\noa bank設立の背景には、金融危機の影響でファクタリング、リース会社が銀行融資を受けにくくなったことがある。同行の設立者はこの苦境を打開するため、自前の銀行(noa bank)を設立したもようだ。
\noa Factoringに対しては売掛債権を売却した企業が以前から、支払いが遅いと批判していた。BaFinはこうした事情も踏まえ6月24日、noa bankの新規融資と預金受け入れ業務を禁止していた。
\