ドイツ人はゲームソフトをインターネットからダウンロードするよりも、店頭でパッケージ版を購入する方を好むようだ。独マイクロソフトのエンターテイメント・デバイス部門責任者であるオリバー・カルトナー氏は日刊紙『Die Welt』の取材に対し、「ドイツでは売り上げの9割を店頭あるいは通信販売が占める」と発言。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫最高経営責任者(CEO)も店頭販売を「非常に重要」と位置づけている。
\ドイツのダウンロード市場(音楽、ゲーム、動画、オーディオブック、アプリケーションソフト)は拡大を続けており、2010年1-3月期の国内売上高は前年同期比59%増の9,400万ユーロと、過去数年で最も高い伸びとなった(独情報通信業界連盟=Bitkom=の調べ)。GamesloadやSteamなどのゲームポータルサイトが好調に推移しているほか、マイクロソフトやSCE、任天堂などのゲーム機大手も独自のソフトダウンロードサービスを展開している。
\ただ、ダウンロード版はパッケージ版のように場所をとらない一方で、◇不要になっても中古ソフトとして転売できない◇パッケージ版と価格がほとんど、あるいは全く変わらない◇ブロードバンドが利用できない地域では購入が著しく困難――などの欠点もある。マイクロソフトのカルトナー氏は「ダウンロード版が主流になるのはまだ何年も先」と言い切る。また、SCEの平井CEOは、ゲームユーザーは「手にとって触れることができ、棚にコレクションできるものを望んでいる」と指摘。データだけのダウンロード版ではユーザーのコレクション欲を満たせないとの考えを示した。
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