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2010/9/29

経済産業情報

終日保育施設、旧西独地域で不足

この記事の要約

子供を終日預かる保育施設が西ドイツ地域で大幅に不足していることが、政府系のドイツ青少年研究所(DJI、ミュンヘン)が22日に発表した調査レポートで分かった。DJIは今回、全国市町村の青少年課が2008年3月に実施した保育 […]

子供を終日預かる保育施設が西ドイツ地域で大幅に不足していることが、政府系のドイツ青少年研究所(DJI、ミュンヘン)が22日に発表した調査レポートで分かった。DJIは今回、全国市町村の青少年課が2008年3月に実施した保育施設に関する調査データを分析。3~6歳の子供の終日保育の利用率が東ドイツ地域の40~60%に対し、西ドイツ地域で大半が40%以下にとどまることを突き止めた。同比率は特に南部と北部で低い。

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3~6歳の終日保育の利用率が最も高い州は東ドイツ地域のチューリンゲン州で80%を超えた。一方、西ドイツ地域の北部(シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州、ブレーメン州、ニーダーザクセン州)と南部(バーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州の一部)ではおおむね15%以下となった。最も利用率が低かった地域はニーダーザクセン州のホルツミンデン郡で、利用率はわずか0.7%。同郡は保育所を検索できるホームページを立ち上げたが、終日保育を探しても該当する施設は見つからない。

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DJIによると、09年の全国の終日保育施設数は07年に比べて20%増加した。特に西部のラインラント・プファルツ州、ノルトライン・ヴェストファーレン州で増加幅が大きかったという。

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ただ、ドイツの終日保育は保育施設と保護者が預かり時間に関する契約を結ぶ仕組みになっており、平均預かり時間は1日7時間強にすぎない。朝8時過ぎに子供を保育所に預けると、3時前には迎えに行かなければならず、家事もこなす母親が働けるのはせいぜい午前中の数時間に限られる。終日保育施設が皆無のホルツミンデン郡ではこのため、子供を終日世話するベビーシッター(ターゲスムッター)の仲介に力を入れているという。

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