ドイツ連邦カルテル庁の広報担当者は14日、鉄鉱石世界2位のリオ・ティントと同3位のBHPビリトンがオーストラリアの事業を合弁化する計画を承認しない考えを表明。両社はその数日後の18日に合弁計画の撤回を発表した。同庁は国内企業が同合弁の影響を受けることから審査を行ってきた。
\2社は昨年、コスト削減に向け豪西部の鉄鉱石生産事業を合弁会社に移管する計画を発表した。移管予定の事業の規模は1,160億ドルに上る。
\世界の鉄鉱石市場では2社とブラジルのヴァーレの計3社が3分の2以上のシェアを持つ。3社の価格交渉力は強く、今春には100%以上の値上げ要求を貫徹した。こうした事情を背景に川下の鉄鋼メーカーなどの間にはリオ・ティントとBHPの合弁計画への警戒感が強く、独カルテル庁は現行計画が実現すると鉄鉱石市場の寡占化が進み、川下産業や最終消費者がしわ寄せを受けると判断。両社に対し10月第4週中にも異議告知書を送付する予定だった。欧州連合(EU)や日本の公正取引委員会も同合弁に否定的な立場で、両社は計画断念に追い込まれた格好だ。
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