欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/12/15

経済産業情報

「紳士泥棒」、銃撃戦の末死亡

この記事の要約

独西南部の中核市カールスルーエで10日、銀行強盗事件が発生した。犯人は2人組の男女で、通報を受けて駆けつけた警察官と銃撃戦を展開した末に射殺された。2人はカールスルーエ周辺やラインラントファルツ州南部で過去15年間、銀行 […]

独西南部の中核市カールスルーエで10日、銀行強盗事件が発生した。犯人は2人組の男女で、通報を受けて駆けつけた警察官と銃撃戦を展開した末に射殺された。2人はカールスルーエ周辺やラインラントファルツ州南部で過去15年間、銀行強盗を繰り返してきた犯人とみられ、警察は身元を確認するため現在DNA鑑定を進めている。

\

犯人はカールスルーエにあるフォルクスバンク支店に15時40分、客を装って入店。現金を奪って逃走したところ、通報を受けて駆けつけた警察官に路上で見つかったため発砲した。このため警察官は銃で反撃し2人を射殺した。

\

犯人はチェコ国籍で、男が40歳、女が38歳。女については男が射殺された後に自らを銃で撃って自殺したとみられる。

\

犯行現場は最高裁の連邦司法裁判所に近い。このため警備が厳しく、通報を受けた警察官はすぐに駆けつけることができた。犯行に不向きな場所を犯人がなぜ選んだかは不明だ。

\

カールスルーエ近辺などでは2人組による銀行強盗事件が1995年からこれまでに約20件発生していた。7月にも同市の貯蓄銀行支店が襲われており、過去15年間の被害総額は約200万ユーロに上る。

\

犯行の手口は◇客の少ない閉店間際を狙う◇銀行員に拳銃をチラッと見せて数万ユーロを奪う◇徒歩で逃走する――というもので、今回もこれを踏襲していた。このため警察は射殺された2人が犯人とほぼ確信している。

\

一連の事件の犯人は「紳士泥棒」などと呼ばれていた。強盗の際の物腰が柔らかいほか、逃走に使った車のカギを持ち主に返却するなどの行動を取ったこともあるためだ。

\

これまでは犯人が犯行現場に近いフランスのアルザス地方に住んでいるものとみられていた。このため当局は2人がチェコ人とは想像すらしていなかったとのこと。2人がドイツに住居を持つのか、それともチェコ本国に住んでいたのかは明らかにされていない。

\