ドイツの自動車業界が先行きに自信を見せている。コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が独自動車・部品メーカー202社を対象に実施したアンケート調査によると、「2011年の売上高が増加する」との回答は全体の9割を占めた。「今後3~5年の業績がさらに改善する」も70%強と多い。市場の回復のほか、経済危機を利用して競争力を高めたことが背景にあるようだ。
\経済危機の発生を受けて生産その他の事業過程の効率化に取り組んだ企業は全体の8割、雇用の柔軟化を進めた企業は同7割に上った。「調達先の国際化を推し進めた」も6割と多い。一方、投資額を減らした企業は5割弱にとどまった。
\今後3~5年の業績が改善するとの回答の内訳をみると、ドイツ国外でも事業を展開する企業では平均(70%強)を上回る74%に達した。これに対し事業が国内に限られる企業では68%とやや低い。中国など市場の将来性が高い新興国に進出しているかどうかが将来に対する期待感を左右する要因の1つになっているとみられる。
\新興国が自動車産業のけん引車になるという点で回答者の大半は見方が一致していた。中国については55%が「乗用車販売台数が長期的に3,000万台に達する」と答えている。
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