世界的な景気悪化の直撃を受けていたボート・ヨット業界が回復に向かっている。独ウォータースポーツ産業連盟(BVWW)は13日、独ウォータースポーツ業界(関連製品・サービス含む)の2010年売上高が前年比4.7%増の17億2,600万ユーロに拡大したとの試算を提示。ヨットの生産高については14%増加したとの見方を示した。
\会員企業を対象に実施したアンケート調査によると、売上高が「前年並み」ないし「増収」となった企業は52.6%に上り、1年前の調査に比べ27.1ポイント増加した。一方、減収企業は50.3%から21.1%に縮小。今後2~3年の見通しについても「改善する」との回答が33.3%から63.7%へと大きく拡大した。
\回復傾向は輸出にも反映されており、ヨット・モーターボート(小型ボート含む)の2010年上半期輸出台数は前年同期比で13.5%、輸出高は同12.9%拡大した。特にヨットの回復が鮮明で、船体の長さ7.5~12メートルのクラスでは台数ベースで48.5%、金額ベースで29.2%増加している。
\ただ、販売台数の伸びに比べ金額の伸びが小さいことから、需要をけん引しているのが比較的価格の低い製品であることがみてとれる。BVWWによると、大型・高級ヨットでは低迷が続いている。
\中古船舶の価格は経済危機の影響で下落した。この結果、買い替えをためらうオーナーが増加し、業界の頭痛の種となっている。ただ、これからヨットを始めたいと考えている人にとっては船舶が入手しやすくなるため、BVWWは新たな顧客を取り込む好機ともとらえている。
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