欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/2/2

経済産業情報

再可熱エネ市場が縮小

この記事の要約

再生可能エネルギーを熱源とするエコ暖房システムの市場規模が縮小している。ドイツ国内の暖房設備関連企業が加盟する「家屋・エネルギー・環境技術に関するドイツ産業連合(BDH)」が発表した年次報告書によると、再可熱エネ設備(ペ […]

再生可能エネルギーを熱源とするエコ暖房システムの市場規模が縮小している。ドイツ国内の暖房設備関連企業が加盟する「家屋・エネルギー・環境技術に関するドイツ産業連合(BDH)」が発表した年次報告書によると、再可熱エネ設備(ペレットストーブ、地熱ポンプ、ソーラー温水器など)への設置規模は2008~2010年の3年間、連続で減少した。日刊紙『ヴェルト』が1月29日付で報じた。

\

BDHの報告書によると、10年の暖房設備市場全体は販売台数ベースで4%縮小。ラジエーターが540万台(3%増)、熱交換換気装置が3万1,000台(27%増)に増加するなど一部分野で成長がみられたものの、ペレットなどの固形燃料暖房は1万9,000台(30%減)、ソーラー温水器は集熱面積115万平方メートル(27%減)、ヒートポンプは5万1,000台(6%減)と、軒並み後退した。

\

BDHはエコ暖房市場が縮小した理由について、◇金融・経済危機で投資意欲が冷え込んだ◇不景気による需要低迷で原油・ガス価格が下がり、エコ暖房の魅力が薄らいだ◇新車買い替え奨励金で自動車購入が増えた結果、暖房に投資する世帯が減った◇政府がエコ暖房に対する奨励措置を頻繁に変更したため、先行き不透明感を理由に新設を手控える人が増えた――などを挙げる。ソーラー温水の低迷については、再生可能エネルギー法(EEG)によりソーラー電力の買い取りが義務化されたことで、ソーラー温水よりソーラー発電装置に投資する人が増えたためと分析している。

\