ドイツのカールテオドール・ツー・グッテンベルク国防相(39)は1日、辞意を表明した。博士論文の盗用問題でマスコミ報道や野党の批判に連日さらされており、職務を遂行できないと判断した。後任は未定。同国防相はドイツで最も人気の高い政治家で、メルケル政権には大きな痛手となりそうだ。
\グッテンベルク国防相は2006年に提出した博士論文のなかで、多数の無断引用を行っていた。この事実は2月中旬に発覚。当初は容疑を否認していたが、後に追認し博士の学位を放棄する意向も表明した。だが、メディアでは連日大きく報道され、野党や学者などの批判も止まないため、辞任に追い込まれた格好だ。クリーンで誠実なイメージが持ち味だっただけに、盗用スキャンダルは大きな痛手となった。
\グッテンベルク氏は09年に辞任したグロス経済相の後任として第1次メルケル内閣に入閣。実行力が高く評価され、第2次メルケル内閣では史上最年少で国防相に就任した。ドイツが徴兵制の廃止を決めたのは同国防相の働きかけによるところが大きい。
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