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2011/3/9

経済産業情報

食塩水由来の殺菌水でレジオネラも撃退

この記事の要約

食塩水から高い除菌力を持つ中性電解水(電解水)を作り出すシステムを、ザールラントの新興企業Water Cleanが開発し販売を開始した。隔膜電解法という手法を用いて次亜塩素酸ナトリウムを生成するのが同システムのポイントで […]

食塩水から高い除菌力を持つ中性電解水(電解水)を作り出すシステムを、ザールラントの新興企業Water Cleanが開発し販売を開始した。隔膜電解法という手法を用いて次亜塩素酸ナトリウムを生成するのが同システムのポイントで、低コスト・低環境負荷で消毒ができるうえ、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムも効果的に除去できるという。

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隔膜電解法は電解槽内を隔膜で仕切って行う電気分解で、陰イオンまたは陽イオンを選択的に透過させることで生成物質を分離する。

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Water Cleanは独自に開発した技術によって、陽極側に高い消毒力をもつ微酸性次亜塩素酸ナトリウム(電解水)、陰極側に副産物として水酸化ナトリウム(NaOH)を生成する。

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同社のシステムの最大の特徴は、次亜塩素酸ナトリウム溶液に1.5ボルトの電圧をかけて電解槽から医療器具などの消毒装置に送りだすこと。1.5ボルトは人間にはまったく無害だが、ウイルス・細菌・胞子は耐えられずに完全に死滅する。

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Water Cleanのシステムはドイツ防疫協会(DGHM)とドイツ応用衛生協会から、食塩水由来の表面殺菌システムとしては世界で唯一、医療機関向けの販売認可を取得した。装置の価格は規模や性能によって7,000~3万5,000ユーロ。電解水の製造コストは1リットル当たり約1セントという。

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