ドイツのオンライン広告業界が大きな転換を迫られている。ディスプレー広告販売国内最大手Tomorrow Focusのクリストフ・シュー社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、検索連動型広告やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が勢力を拡大し、バナーやポップアップなどの古典的な広告との競争が激化するとの考えを示した。特にSNSは広告露出による自社サイトへの誘導といった従来の手法が通用せず、古典的広告を脅かす存在になりうるとしている。
\シュー社長によると、独オンライン広告市場ではGoogleなどの検索連動型広告がシェアの約6割を占める。古典的広告の分野では今のところ、国内のオンライン広告販売会社がシェアの大半を握っているものの、Googleが同市場にも進出を果たした場合、国内業者が大きな打撃を受けるのは必至だ。
\SNSはGoogle以上に手ごわいライバルになる可能性を秘めている。年齢別、趣味別にグループを形成している関係で、行動ターゲティング広告やマーケティングの効果が高いためだ。
\ただ、SNS大手Facebookに広告を掲載したユーザーはこれまでの経験から、SNS外にリンクされたサイトに飛ぶことを嫌う傾向が高いことが分かっている。このためFacebook内にも独自のオフィシャルサイトを構築する広告主が増えている。この場合、自社サイトに誘導する古典的広告では不要だったSNS用サイト構築に予算をとられることから、古典的広告の掲載を削減する恐れがある。
\