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2011/7/6

企業情報

Koninklijke DSM N.V.―買収で第2世代バイオ燃料技術強化―

この記事の要約

化学大手の蘭DSM(ヘールレン)は6月28日、食品大手のRoyal Cosunからバイオ子会社C5 Yeast Companyを買収することで合意したと発表した。セルロースを原料とする第2世代バイオ燃料の製造技術を強化し […]

化学大手の蘭DSM(ヘールレン)は6月28日、食品大手のRoyal Cosunからバイオ子会社C5 Yeast Companyを買収することで合意したと発表した。セルロースを原料とする第2世代バイオ燃料の製造技術を強化し、2014年から量産を開始する予定だ。取引金額は明らかにしていない。

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セルロース系のバイオマスでは酵素を用いてC5糖やC6糖などの糖質に分解し、酵母によりアルコール発酵させエタノールに転換する。その際、酵母は本来グルコースなどのC6糖しか発酵させることができない。

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しかし、DSMの技術ではキシロースなどのC5糖も発酵。実験では糖質のエタノール転換率が90%に上ったという。同社は酵素と酵母を一手に提供し、第2世代バイオエタノールの精製技術提供者として地位を固める狙いで、C5糖やアラビノースなど糖質の独自転換技術を持つC5 Yeast Companyを競争力の強化に活用していく。

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DSMの技術開発担当役員が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に語ったところによると、第2世代バイオ燃料生産向け酵素・酵母の市場規模は2020年に米国だけで10億ドルに達する見通しという。

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