欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/7/6

経済産業情報

生保業界、11年はマイナス成長見通し

この記事の要約

独生命保険業界の保険料収入は今年、前年実績を割り込む見通しだ。金融経済危機の際に需要の高まった保険料一括払込式の短期保険が、景気回復に伴い人気を失っていることが主な原因で、ドイツ保険協会(GDV)は生保業界の一括払い保険 […]

独生命保険業界の保険料収入は今年、前年実績を割り込む見通しだ。金融経済危機の際に需要の高まった保険料一括払込式の短期保険が、景気回復に伴い人気を失っていることが主な原因で、ドイツ保険協会(GDV)は生保業界の一括払い保険料収入が今年10%減少し、保険業界全体でも0.5%の減収になると予測している。6月29日付『ハンデルスブラット』が報じた。

\

短期の生命保険は景気後退で金利が過去最低水準に落ち込んだ09年~10年上半期に、貯蓄預金代わりに契約する人が増えてブームとなり、貯蓄銀行系の保険会社Provinzial Nordwestでは、08年に1億8,000万ユーロだった同保険料収入が09年には2.8倍の5億1,000万ユーロへと拡大した。同社は10年に入って新規契約を制限したため、同保険料収入は8%増の5億5,200ユーロにとどまったが、特に制限しなかった同じ貯蓄銀行系の保険会社SV Versicherungでは09年の5億1,250万ユーロから2倍以上の11億7,340万ユーロに拡大。競合のAxa LebenやZurich Dr. HeroldはSV Versicherungenを上回る2.5倍以上の伸びを記録した。

\

しかし、景気回復に伴う10年下半期からの金利の上昇で、一括払い型生保の人気は急速に衰えつつあり、大幅な減収となるのは確実。SV Versicherungenは一括払い生保の保険料収入が10年の半分以下の3億5,000万~4億5,000万ユーロに、保険料収入全体も23億ユーロから16億ユーロに後退すると予測している。

\