化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は7日、電気自動車(EV)関連の素材開発を強化する方針を打ち出した。バッテリーや軽量素材などこれまで出遅れていた分野に本腰を入れ、長期的に数億ユーロ規模の売上実現を目指す。
\バッテリー分野では陽極、陰極、電解質、隔離材などの素材を開発し、システムサプライヤーとなる考えだ。個々の部品間の連携がバッテリー性能を大きく左右するという事情が背景にある。リチウムイオン電池のほか、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池についても研究を進める。
\陽極については現在、米国に工場を建設中で、2012半ばから生産を開始する。投資規模は5,000万ユーロ強で、その半額を米エネルギー省が拠出する。
\EVでは電力消費量の低減が重要な課題となっていることを踏まえ、同社は車体軽量化につながる素材のほか、特殊顔料も開発。夏季の車内温度上昇を抑制し、カーエアコンの利用減につなげる。また、断熱性の高い素材を開発し、冬季の車内温度低下を緩和する意向だ。
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