低価格を武器にシェアを伸ばしてきたディスカウントストアに対し、スーパーマーケットが新しいコンセプトで反撃に乗り出した。店舗設計やディスプレー、品揃え、サービスなど様々なアイデアを積極的にテストして顧客ニーズによりマッチする販売戦略を採用。また、個々の小売商が加盟する方式のReweやEdekaなどでは各店舗が独自性を打ち出し、画一的なディスカウントストアに対抗している。4日付『南ドイツ新聞』が報じた。
\コンサルティング大手のマーサーが昨年実施した調査によると、買い物をする店の選択で価格よりも品揃えの良さや品質を重視する消費者が増えている。こうした動向を反映してディスカウントストアの売上高は頭打ちとっており、同業界最大のAldiは2009年、10年と2期連続で減収となった(市場調査機関GfK調べ)。一方、一般スーパーは売り場面積400平方メートル以下の店舗で2010年の売上高が前年に比べ3.3%増加、同1,000平方メートル以下では4.7%の伸びを記録した(市場調査大手ニールセン調べ)。
\Edeka系列ブランドEdeka Zurheide Feine Kostのデュッセルドルフ店は、食品業界紙『Lebensmittel Praxis』が選定する「2011年スーパーマーケット・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。同店は「お客様の満足は良し。お客様の感動を呼び起こせればさらに良し」をモットーに掲げ、売り場面積7,000平方メートルの店内は広々とした間取りで客が圧迫感を感じずにショッピングできるよう工夫されている。また、コーヒーや鮮魚、食肉、パン、野菜、チーズなどそれぞれに演出の異なる専門コーナー(飲食コーナーもあり)を店内のあちこちに設置し、客が自然に「買いたい・食べてみたい」という気持ちを起こすような雰囲気を醸し出している。特売品の赤札やレジ前の菓子など、購買圧力をかけるようなディスプレーは一切行っていない。商品は低価格品からやや高めの製品まで幅広く取り扱っており、低所得層の顧客でも気後れせず買い物できるよう配慮されている。
\Reweはケルン市の中心部で、ファーストフードコンセプトの実験店「Rewe to go」をオープンさせた。サラダやカット済みフルーツ、調理パン、寿司を買ったその場で食べられるのがセールスポイントで、マクドナルドやサブウェイなどファーストフードチェーン大手に挑戦状をたたきつけた格好だ。
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