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2011/7/20

総合 - ドイツ経済ニュース

ストレステスト、ドイツは12行が合格、州立銀Helabaはテストから離脱

この記事の要約

欧州銀行監督機構(EBA)は15日、欧州連合(EU)域内の主要銀行を対象に行ったストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。ドイツの銀行は当初13行が対象となったものの、ヘッセン・チューリンゲン州立銀行(Helaba) […]

欧州銀行監督機構(EBA)は15日、欧州連合(EU)域内の主要銀行を対象に行ったストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。ドイツの銀行は当初13行が対象となったものの、ヘッセン・チューリンゲン州立銀行(Helaba)は狭義の中核自己資本比率の解釈でEBAと見解が食い違ったことを理由に審査からの離脱を13日になって表明。審査の妥当性に疑問を投げかけた。結果を公表された独12行は昨年不合格となったヒポ・リアル・エステート(HRE)も含めてすべて合格した。

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ストレステストはEU21カ国の91行を対象に実施された。国内総生産(GDP)が2011年から2年連続でマイナス成長に陥るうえ、株価や不動産価格も大幅に下落することを想定(危機シナリオ)。狭義の中核自己資本比率が5%未満に陥る銀行を不合格とした。

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不合格とされたのは計8行で、このうち5行をスペイン、2行をギリシャ、1行をオーストリアが占める。8行の資本不足額は計25億ユーロで、EBAは年内に資本増強を行うよう求めている。

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Helabaは匿名出資(stille Einlage)という議決権のない優先株のような性質の出資がEBAから狭義の中核自己資本と認められなかったため、審査から離脱した。EBAの基準に従うと、同行は狭義の中核自己資本比率で3.9%となり、不合格組に組み入れられる。一方、匿名出資を狭義の中核自己資本に含めると、同比率は6.8%へと大幅に上昇する。

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不動産金融大手のHREは金融危機で保有資産が一気に不良化したうえ、財政状況の悪いポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン(PIGS)の国債も大量に保有していたため、昨年のストレステストで不合格となった。不良資産の大部分はその後、新設したバッドバンクへと移管。このため今回のテストでは狭義の中核自己資本比率がドイツの銀行で2番目に高い10.0%へと大きく改善した。

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