スイスの交通計画コンサルティング会社SMAは21日、シュツットガルト中央駅再開発事業「Stuttgart 21」に対する鑑定評価結果を提出した。ドイツ鉄道(DB)が計画する通過型の新地下駅舎は、最混雑時間帯にも列車と乗客の流れを適切に処理できるとして「合格」と判定。DBはこれを受けて建設業務の発注に踏み切った。一方、建設反対派は、想定シナリオは現実に予想されるトラブルを十分に反映していないなどとして抵抗を続ける構えだ。
\Stuttgart 21でDBは、輸送能力の増強に向けてシュツットガルト中央駅を従来の頭端式地上ホームから通過型地下ホームに改築することを計画している。建設費用は現在の試算で45億ユーロに上る。これに対し反対派は「コストが高すぎる」「自然景観が破壊される」などとして建設に強く反発しており、平行線をたどっている。
\こうした事情を受け、調停役を引き受けるハイナー・ガイスラー氏(キリスト教民主同盟=CDU=元幹事長)と賛成・反対派の三者は昨年秋、プロジェクトと利害関係を持たないSMAにストレステスト(耐性検査)を依頼することで合意。「最混雑時の1時間に49本(1分15秒に1本)の列車が入線・発車する」というシナリオで、新駅が列車と乗降客をさばくことができるかをシミュレーションしてもらった。この結果、新駅は5段階評価で3番目に高い「経済的に最適な営業品質で処理可能」の評価を獲得し、テスト合格のお墨付きを得た。
\建設反対派はこれに対し、「ストレステストは誤った前提に基づいている」などとして26日に予定されていた報告会へのボイコットを表明していたが、開催を29日に延期することを条件にボイコットを撤回。反対派の広報担当はdpa通信に対し、「我々が欠席すれば推進派だけが会場に集まることになり、流れが不利になりかねない」と説明した。また、延期要請については「対策を練るため」としており、反対の立場を崩していない。
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