流通大手Metroは7月26日、傘下の家電小売り大手Media-Saturn(インゴルシュタット)の収益性改善に向けた経営戦略を発表した。第2四半期に初めて赤字に転落するなど業績が悪化していることを受けた措置で、販売チャンネルを多角化。インターネット販売に本腰を入れる。また、コストを削減するために欧州全体で年内に従業員3,000人を削減する。
\Media-Saturnは店頭販売がメインで、ネット販売はこれまで試験導入にとどめていた。しかし、店頭より商品価格が安いうえ、注文も好きな時間にきるネット通販の利用者が急速に増加。同社はこの動向に乗り遅れ、今年4-6月期の営業損益(EBIT、特別要因調整前ベース)が前年同期の黒字(4,100万ユーロ)から4,400万ユーロの赤字へと転落した。
\Metroが発表した新戦略によると、Saturnブランドでは今年10月、Media Marktブランドでも来年1月にオンラインショップの運営を開始する。当面はドイツ国内のみのサービスとするが、対応言語や地域を順次、拡大していく。
\両ブランドのオンラインショップは店頭との連動型で、販売員と相談した後でネット注文したり、自宅への宅配の代わりに店頭で受け取ることもできる。対面のサービスとネットショップの便利さを組み合わせることで顧客の支持を獲得し、2015年にはオンライン売上高で50億ユーロの達成を目指す。人員削減は事務部門が主で、店頭の販売員を大きく減らす予定はないとしている。
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