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2011/8/24

企業情報

General Motors―Chevroletを欧州生産へ―

この記事の要約

米自動車最大手のGeneral Motors(GM)は今後、傘下ブランドChevroletのモデルを欧州で生産する意向だ。同社のダン・アカーソン最高経営責任者(CEO)がアナリスト向けの説明会で明らかにした。\ 現在は主 […]

米自動車最大手のGeneral Motors(GM)は今後、傘下ブランドChevroletのモデルを欧州で生産する意向だ。同社のダン・アカーソン最高経営責任者(CEO)がアナリスト向けの説明会で明らかにした。

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現在は主に韓国で生産したモデルを欧州に輸出しているが、最近は輸送費が上昇傾向にある。アカーソンCEOはこうした方法が「最も効率的とは言えなくなってきた」と述べ、欧州で現地生産する可能性を示唆した。生産開始の時期は明らかにしていないものの、欧州の労働組合との協定により、工場の新設は早くとも2014年となる見通しだ。

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同社傘下の独Opelは今回の計画を歓迎している。Opelのクラウス・フランツ事業所委員長(監査役副会長)は『南ドイツ新聞』に対し、「当社の国内工場の稼働率が向上する。特にボーフム工場にとっては吉報だ」と語った。ボーフム工場は近年閉鎖の噂が絶えず、生産車種は現在ミニバン「Zafira」のみとなっている。Chevroletの欧州生産が実現すれば、同工場でミニバン「Orlando」が生産されるとみられる。

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一方で、OpelとChevroletのブランドとしての差別化がなされていないことから、両ブランドが欧州市場で正面から競合する懸念もある。アカーソンCEOはこれについて『ハンデルスブラット』紙のインタビューで、「Opelは独ブランド、Chevroletは米ブランドとして差別化を進めている」とコメントした。

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Chevroletは昨年、GMの世界販売の約60%を占めたものの、欧州市場シェアは1%にとどまった。一方、Opelの欧州市場シェアは約8%に上る。アカーソンCEOは、「両ブランドを合わせた市場シェアを10%に拡大できれば満足だ」と語った。

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