スイス経済省経済管轄局(SECO)が1日発表した2011年第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比の実質成長率が0.4%となり、第1四半期の同0.6%から鈍化した。スイスフラン高の直撃を受けた格好で、成長率は経済・金融危機から立ち直った09年第3四半期以降で最低となった。
\スイス企業は輸出量が増加してもフラン高の影響で売り上げが伸び悩むジレンマに直面している。このため第2四半期の輸出成長率(サービスを含む)は-1.3%となり、前の期の+3.4%から悪化した。輸入高(同)の減少幅が1.7%と輸出を上回ったことから、外需(輸出-輸入)自体はGDP成長にかろうじて寄与している。
\内需は企業投資が減少し足を強く引っ張ったほか、個人消費もわずかな伸びにとどまった。政府はフラン高に伴う輸出・観光産業の痛手を緩和する目的で8月31日に総額8億7,000万フランの景気対策を打ち出した。
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