シーメンスの照明子会社Osram(ミュンヘン)は1日、LEDライトと蛍光管の出荷価格を引き上げた。中国の希土類(レアアース)輸出制限により照明機器に必要なレアアースの価格が急騰しているため。平均値上げ率は20~25%で、使用する素材の種類や量によって異なるとしている。競合の蘭フィリップスも10月に値上げを行う予定で、業界で追随の動きが一気に加速しそうだ。
\レアアースは世界生産量の9割以上を占める中国が環境・資源保護を名目に輸出を制限している影響で、価格が急騰している。LEDや蛍光管では蛍光材としてユウロピウム、テルビウム、イットリウムなどが不可欠で、これら原料の価格高騰は照明メーカーも直撃している。
\Osramの4-6月期(第3四半期)決算では売上高が前年同期比7%増の11億6,000万ユーロに拡大したにもかかわらず、原料高が足かせとなり営業利益は6,100万ユーロにほぼ半減した。7-9月期決算でも7、8月出荷分について原料値上がり分を製品に転嫁していないため、減益が避けられない見通しという。
\親会社であるシーメンスはこの秋にもOsramの株式公開を目指している。だが、レアアース高騰の影響で照明業界を取り巻く環境の悪化が続けば、延期を余儀なくされる可能性がある。
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