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2011/9/7

経済産業情報

中国風力発電機メーカー、欧州進出視野に

この記事の要約

中国の風力発電設備メーカーが欧州市場への進出を狙っている。国内市場の飽和問題を背景に当局が風力発電パークの新設・拡張を抑制し、成長鈍化が確実となっているためだ。中国メーカーの技術力は欧州メーカーに比べ低いものの、欧州企業 […]

中国の風力発電設備メーカーが欧州市場への進出を狙っている。国内市場の飽和問題を背景に当局が風力発電パークの新設・拡張を抑制し、成長鈍化が確実となっているためだ。中国メーカーの技術力は欧州メーカーに比べ低いものの、欧州企業への出資や提携を進めるなど着実に足がかりを構築しつつあり、今後数年で欧州勢を脅かす存在となる可能性がある。8月30日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙が報じた。

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欧州風力発電協会(EWEA)によると、欧州メーカーの域内市場シェアは89%で圧倒的な強さを誇る。米市場シェアは32%、世界全体でも同37%を占める。

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中国の風力発電設備メーカーは破竹の勢いで成長を続けている。5年前には世界の大手上位10社に1社も含まれていなかったが、2010年には華鋭風電(Sinovel)、新疆金風(Goldwind)など4社がランクインした(グラフ参照)。欧州市場への進出では、新疆金風が08年に独Vensys Energyを買収したのに続き、今年4月には華鋭風電がギリシャの国営電力会社(PPC)とプロジェクト提携で合意、7月にもアイルランドの風力発電所運営企業Mainstream Renewable Powerと出力1000メガワットの機器納入契約を結んだ。

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独風力発電装置メーカー、エネルコンの関係者はFTD紙に対し「我々は中国の太陽電池メーカーが攻撃的な戦略で世界市場を征服するのを目の当たりにした。風力発電では彼らはまだスタートラインに立ったばかりだが、追いつかれるまでにそれほど時間はかからないだろう」と述べ、警戒感を示した。

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