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2011/9/7

経済産業情報

SAPの賠償額を大幅引き下げ、オラクルとの係争で米連邦地裁

この記事の要約

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、カリフォルニア州オークランドの連邦地裁は1日、損害賠償13億ドルの支払いをSAPに命じた11月の陪審評 […]

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、カリフォルニア州オークランドの連邦地裁は1日、損害賠償13億ドルの支払いをSAPに命じた11月の陪審評決を退けた。判決理由で裁判官は、陪審評決の損賠額は証拠から判断して額が大きすぎると指摘。2億7,200万ドルへの減額を言い渡した。オラクルは今回の判決を不服としており、新たな裁判を起こして争う可能性が高い。

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オラクルのソフトを不正にダウンロードしていたのはSAPが2005年に買収したソフトメインテナンス会社TomorrowNow。TomorrowNowはオラクルが同年に買収したピープルソフトのメンテナンスを専門に手がけてきた経緯があり、SAPはTomorrowNowを買収することで、オラクルによるピープルソフト買収でサービスの先行きに不安を持つピープルソフト顧客の取り込みを図った。

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TomorrowNowはオラクルから奪った顧客企業に対するメンテナンス業務を進めるなかで不正ダウンロードを行っていた。SAPはオラクルから提訴された07年春の時点で容疑を否認していたものの、後に責任を認めた。

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賠償金額に関してはオラクルが最大30億ドルを要求するのに対し、SAPは2,800万~4,100万ドルが妥当と反論。主張は大きく食い違っていた。13億ドルの賠償支払いが確定していれば、米国の損賠訴訟で史上最大の額となっていた。

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