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2011/9/7

経済産業情報

全身スキャナー「不合格」、独内務省が導入見送り

この記事の要約

独連邦内務省はこのほど、ハンブルク国際空港での試験導入を終了した全身スキャナーの本格導入を見送ると発表した。誤報が多いなど技術面で改善の必要があるためと説明している。\ 全身スキャナーは米L3 Communication […]

独連邦内務省はこのほど、ハンブルク国際空港での試験導入を終了した全身スキャナーの本格導入を見送ると発表した。誤報が多いなど技術面で改善の必要があるためと説明している。

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全身スキャナーは米L3 Communications社製で、従来の通過式検査機器と異なり液体爆弾やセラミック製の武器など金属以外の物質も探知できる。昨年7月から今年9月末までハンブルク空港で試験導入され、約79万人の搭乗客を対象に検査が行われたが、衣服のしわや重ね着、被験者の動作などに反応した誤報が多かった。

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ハンスペーター・フリードリヒ連邦内相は、試験結果を分析し同スキャナーが実用に耐えないと判断した。ただ、将来的には全身スキャナーの利用によりセキュリティーチェックを効率化し航空安全を強化できるとしている。

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欧州連合(EU)の欧州委員会は全身スキャナーの導入を域内全域で義務付ける法案を11月までに公表する。法案には◇X線を使用しない◇搭乗客のプライバシーを侵害しない◇搭乗客はスキャニングへの拒否権を持つ――などを盛り込む予定だ。

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