トヨタ自動車が欧州生産を拡大する。販売地域での現地生産を強化する戦略の一環で、円高も後押し要因となった。欧州事業を統括するDidier Leroy常務が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
\同社の欧州販売に占める現地生産車の割合は現在、3分の2以下にとどまる。今後はこれを4分の3へと高める考えで、まずは仏バランシェンヌ工場で小型車「Yaris(日本名ヴィッツ)」の次世代モデルを生産する。臨時社員800人を採用、雇用契約の終了後は正規採用に切り替える方向だ。
\同常務はまた、欧州事業が2012年までに黒字転換する見通しも明らかにした。2010年当時は黒字化に5年を要すると社内で判断していたが、重複業務の整理などを通してコストを大幅に削減、収益力回復にメドをつけた。東日本大震災がなければ2011年にも利益を計上できたという。
\トヨタの欧州販売台数は昨年81万台だった。景気の先行き不透明感が増しているものの、今年は83万台に拡大する見通しという。
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