電機からインフラ、金融サービスまでの幅広い事業を手がける米General Electric(GE)がドイツ事業を強化する。これまで手薄になっていた中小企業や自治体向けの事業に本腰を入れるほか、事業権限を米本社からローカルレベルに落とし迅速な意思決定ができる体制を構築。電機、インフラ市場などで独市場最大手のSiemensを追撃する。
\GEはドイツ事業の強化戦略をこれまで何度も打ち出してきたが、すべて失敗に終わった経緯がある。1月にGE欧州事業の統括責任者となったフェルディナンド・ベッカリファルコ氏(ドイツ事業も直接統括)は中小企業が経済の屋台骨をなすドイツ市場の特殊性を見落とし大企業を顧客ターゲットとしてきたことが最大の敗因と分析。今後は中小企業重視へと姿勢を改める。
\事業権限のローカル化は顧客のニーズにきめ細かく対応するための措置で、同社はこの目的の実現に向け顧客の要望を聞き入れながら製品開発を進める研究開発施設を設置する。投資コストは3,000万ユーロ。設置場所は今後、決定する。
\GEは事業権限のローカル化を2010年にインドで初導入した。大きな成果が上がっているため、ドイツでも実施する。
\同社は独事業の強化に向け、中小規模の買収も行う考えだ。ベッカリファルコ氏によると、手持ちの資金は10億ユーロに上る。
\GEのドイツ売上高は公表されていない。在ドイツ米商工会議所(AmCham)によると推定95億ユーロで、その大半を金融部門が占めている。
\