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2011/9/21

経済産業情報

高効果のポリマー系トランスフェクション試薬開発

この記事の要約

DNAなどの核酸を効果的に動物細胞内に導入する新たなトランスフェクション試薬の開発にバイロイト大学の研究チームが成功した。同試薬はPDMAEMAと呼ばれるポリマーをDNAの運び屋(ベクター)として利用、従来はウイルスを利 […]

DNAなどの核酸を効果的に動物細胞内に導入する新たなトランスフェクション試薬の開発にバイロイト大学の研究チームが成功した。同試薬はPDMAEMAと呼ばれるポリマーをDNAの運び屋(ベクター)として利用、従来はウイルスを利用するしかなかった細胞へもDNAを運び込むことができる(特許出願済み)。研究チームは新たな試薬が遺伝子治療の進歩につながると期待を寄せる。

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遺伝子治療は特定の遺伝子が欠損している患者の体内に正常な遺伝子を導入したり、別の遺伝子を細胞に注入して遺伝子を修復するもので、がん治療の新たな可能性として関心を集めている。

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ベクターとしての効率が最も高いのはウイルスだが、感染の危険性がある。一方、ポリマー系のベクターは感染リスクがないものの、DNA導入効果はウイルスに比べ大幅に低い。

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バイロイト大学のチームが開発したトランスフェクション試薬は、陽イオン性の水溶性ポリマーである星型ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(PDMAEMA)をベースにしたもので、従来のポリエチレンイミン(PEI)を用いた試薬よりも高い導入効率が確認された。RNA干渉分子を生体細胞内に導入することも可能なため、RNA干渉治療薬への応用も期待できるという。

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