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2011/10/12

企業情報

SMA Solar Technology AG―業績に陰り―

この記事の要約

ソーラーインバーター世界最大手の独SMA Solar(ニーステタール)の業績に陰りが出てきた。多くの国が太陽電池補助金を削減しているところにユーロ危機が追い打ちをかけ、市場に先行き懸念が広がっているためだ。市場競争の激化 […]

ソーラーインバーター世界最大手の独SMA Solar(ニーステタール)の業績に陰りが出てきた。多くの国が太陽電池補助金を削減しているところにユーロ危機が追い打ちをかけ、市場に先行き懸念が広がっているためだ。市場競争の激化で製品価格が下落していることも響いている。同社のピエールパスカル・ウルボン新社長への取材をもとに6日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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SMA Solarは長年にわたって業績を順調に拡大してきた。ソーラーインバーターは中国企業の値下げ攻勢にさらされるソーラーモジュールなどと異なり、新規企業の参入が技術的に難しいということが背景にある。

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だが、ソーラー市場全体に停滞感が出てきたことで、同社の業績見通しも悪化。9月には2011年売上高を従来予測の「15億~19億ユーロ」から「15億~17億ユーロ」に下方修正。営業利益(EBIT)も同「3億1,500万~4億7,500万ユーロ」から「2億2,000万~3億ユーロ」に引き下げた。

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同社は今後の成長に向け従業員5,900人のうち1,000人を年内に削減するほか、事業部制を導入して顧客のニーズにスムーズに対応できるようにする。具体的には電力会社などの大口顧客向け部門と、家屋用ソーラーパネル向け部門、新興国向け部門を設立する考えだ。

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売り上げの約6割をドイツ市場に依存する現状も改める考えで、特に米国、南米、南アフリカ、インド市場の開拓に注力する。昨年進出したインドではすでに市場最大手となっているという。

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世界市場では独Siemensの追撃を受けている。最近は自動車部品大手のBoschもソーラーインバーター事業を立ち上げており、競争は今後一段と激化しそうだ。SMA Solarは価格圧力に対応するために、今後5年以内に製造コストを半減する考え。

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