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2011/10/19

総合 - ドイツ経済ニュース

モンゴルと資源協定締結、コークス炭鉱採掘を独企業が支援

この記事の要約

ドイツのメルケル首相は13日、モンゴルの首都ウランバートルを訪問し資源協定に調印した。資源の安定確保に向け昨年秋に策定した戦略に基づく措置で、ドイツ企業が同国で資源開発に乗り出せる基盤を創出した。首相のモンゴル訪問に合わ […]

ドイツのメルケル首相は13日、モンゴルの首都ウランバートルを訪問し資源協定に調印した。資源の安定確保に向け昨年秋に策定した戦略に基づく措置で、ドイツ企業が同国で資源開発に乗り出せる基盤を創出した。首相のモンゴル訪問に合わせて、ドイツ企業の現地受注契約も締結された。

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ドイツの首相がモンゴルを訪問するのは今回が初めて。資源獲得をめぐる国際競争が激化するなか、鉱山資源が豊富なモンゴルは世界的な脚光を浴びており、ドイツは同国との関係強化に乗り出した。

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モンゴルの鉱山資源埋蔵量は石炭1,600億トン、鉄鉱石16億トン、銅4,000万トン、金3,000トン。このほか、ウランと希土類の大規模な鉱脈が確認されている。

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同国が豊かな資源を持つことは1950年代にロシアや東ドイツが行った調査で分かっていたが、採掘コストが高いため、これまでは手付かずの状態が続いていた。近年の資源価格高騰を受けて、にわかに注目が集まっている。

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メルケル首相のモンゴル訪問に合わせて受注契約を結んだドイツ企業は中堅鉱山会社のBBM Opertaグループと電機大手のシーメンスだ。BBM Opertaはオーストラリアの鉱山会社マクマホンとコンソーシアムを形成、モンゴル国営鉱山会社Erdenes TTがゴビ砂漠のタバン・トルゴイで進めるコークス炭鉱の採掘計画を支援する。ドイツ企業がモンゴルの鉱山プロジェクトに参加するのは今回が初めて。

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採掘量は初年度の2012年が300万トンで、最終的には同1,500万トンに引き上げる。10年間で合わせて約1億トンを見込む。シーメンスは同鉱山向けに出力300メガワットの発電施設を納入する。

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Erdenes TTは現在、株式公開(IPO)の準備を進めている。独『ヴェルト』紙がモンゴル外務省の情報として報じたところによると、主幹事はドイツ銀行と米ゴールドマン・サックスが引き受ける。IPOは2012年春にも行われる予定で、ロンドンとフランクフルト市場が候補に挙がっているという。

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