高級アパレル大手の独Hugo Boss(メッティンゲン)が9日発表した2011年12月期暫定決算の最終利益は前年比53%増の2億8,400万ユーロに拡大した。収益力の高い直営店事業の強化が奏功した格好で、営業利益(特別費計上前のEBITDAベース)も34%増の4億6,900万ユーロと好調だった。
\売上高は20億5,900万ユーロで、前年を19%上回った。売り上げの約半分を占める直営店事業はすべての地域で2ケタ成長を確保。1ケタ成長にとどまった卸向け事業との差が鮮明に出た格好だ。直営店は今後も拡充していく方針で、売上に占める割合は今後数年で75%まで引き上げていく。
\直営店事業を重視する背景には、利益率が高いほか、顧客のニーズを直接把握できるという事情もある。そうした最新のニーズは製品開発に速やかに反映させているという。
\製造拠点に関しては今後、欧州とラテンアメリカを重視していく。同社のクラウスディートリヒ・ラールス社長は独『ハンデルスブラット』紙のインタビューで、アパレルメーカーがやみくもにアジアで生産する時代は終わったとの認識を示した。
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