化学大手のBASFが石油大手のシェルを相手取って裁判を起こしていることが、1日付『ファイナンシャル・タイムズ(FTD、ドイツ版)』紙の報道で分かった。両社はブラジル北東部のパウリニアで発生した公害問題で合わせて約5億ユーロの賠償金支払いを裁判所から命じられており、BASFは損賠支払いを全額シェルが負担することを要求している。
\BASFは2000年、パウリニアで工場用地を取得し、農薬生産を開始した。だが、地下水と土壌の汚染で従業員に健康被害が発生したため、02年に工場を閉鎖した。
\BASFは同工場を米アメリカン・シアナミド社から取得、アメリカン・シアナミドは1995年にシェルから譲り受けていた。
\BASFとシェルは現地の公害訴訟で損害賠償金(4億9,000万ユーロに金利を加えた額)を支払うよう命じられた。BASFは公害を引き越したのはシェルだと主張、損賠支払いをすべてシェルが負担することを要求している。
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