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2012/3/28

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州特許申請件数が4%増加

この記事の要約

欧州特許庁(EPO)が23日発表した2011年の特許出願件数は前年比3.7%増の24万4,437件となり、2年連続で拡大した。知財権をめぐる国際的な争いの増加を背景に企業が特許の獲得に積極的になっていることが背景にあるよ […]

欧州特許庁(EPO)が23日発表した2011年の特許出願件数は前年比3.7%増の24万4,437件となり、2年連続で拡大した。知財権をめぐる国際的な争いの増加を背景に企業が特許の獲得に積極的になっていることが背景にあるようで、特に日本、韓国、中国勢の申請が大きく増えている。ドイツ企業の出願件数は0.1%増にとどまり、EPO加盟38カ国は同1%減少した。

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日韓中3カ国のなかで出願件数の伸び率が最も大きかったのは中国で、33%増加。2010年の1万2,750件から1万6,946件へと拡大した。通信機器メーカーの華為技術は出願件数ランキングで17位につけ、中国企業で初めてトップ20入りを果たした(表を参照)。日本勢は13%増の4万7,404件、韓国勢は7%増の1万3,254件だった。

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特許出願に占める日韓中の割合は計32%で、前年の28%から4ポイントも増加した。08年時点では同25%にとどまっており、3国の企業が知財権をこれまで以上に重視するようになっていることがうかがわれる。一方、EPO加盟国のシェアは39%から38%に低下、米国も26%から24%へと下がった。(グラフを参照)

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出願件数シェアが最も高い国はこれまで同様米国で、これに日本(19%)、ドイツ(14%)が続いた。ドイツはEPO加盟国のなかではダントツの1位で、2位のフランス(5.0%)を大きく引き離した。3位はスイス(3.2%)、4位は英国(2.6%)、5位はオランダ(2.5%)だった。

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特許出願件数を製品分野別でみると、医療機器が最も多く9,351件に達した。10年前に比べると2倍に拡大している。2位以下は電気機械・装置・エネルギー(8,550件)、コンピューター(7,561件)、デジタル通信(7,161件)、有機ファインケミカル(6,269件)、計測(6,102件)、輸送(5,969件)、医薬品(4,818件)、バイオテクノロジー(4,731件)、エンジン・ポンプ・タービン(4,636件)の順で続く。

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特許の登録件数は6万2,112件で、前年を6.9%上回った。特許出願に対する登録の比率(特許登録率)も前年の43%から47%へと上昇した。登録件数が最も多いのは電機大手のシーメンスで837件。2位も自動車部品のボッシュ(790件)とドイツ勢が上位2位を占めている。3位はパナソニック、4位はサムスン、5位はホンダと日韓勢も上位に食い込んだ。電機ないし自動車関係の企業がトップ10を独占しているのは目を引く。(表を参照)

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