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2012/3/28

企業情報

Hapag-Lloyd AG―価格競争は「終結」―

この記事の要約

海運大手Hapag-Lloyd(ハンブルク)のミヒャエル・ベーレント社長は21日の2011年決算説明会で、海上運賃の引き上げ方針を表明した。値下げ競争に燃料費や人件費などのコスト上昇が重なり経営が苦しくなっていることに対 […]

海運大手Hapag-Lloyd(ハンブルク)のミヒャエル・ベーレント社長は21日の2011年決算説明会で、海上運賃の引き上げ方針を表明した。値下げ競争に燃料費や人件費などのコスト上昇が重なり経営が苦しくなっていることに対応。「我々は再び適正な利益を確保する必要がある」と述べ、顧客に理解を求めた。

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海運業界では昨年、業界最大手のMaerskと2位のMSCが輸送能力過剰から値下げ合戦に走ったことをきっかけに、破壊的な価格競争が引き起こされた。このため業界企業の大半は11年決算で赤字を計上、Maerskの海運子会社は4億8,300万米ドルの赤字を出した。Hapag-Lloydは営業利益(EBIT、特別要因調整済み)1億1,000万ユーロを確保したものの、最終損益は4億2,800万ユーロの黒字から2,900万ユーロの赤字に転落した。

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Hapag-Lloyd は業界の先陣を切ってすでに運賃改定(GRI)を実施しており、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、アジア~欧州線の海上運賃(20フィートコンテナ当たり)を750米ドル引き上げた。大手の同社が値上げに踏み切ったことで、「数日以内に競合他社が一斉に追従した」という。4月1日にも同412ドルの追加値上げを行う予定。ベーレント社長は「業界の崩壊を望んでいる顧客はいない」と述べ、値上げは受け入れられるとの考えを示した。

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同日発表した11年通期決算の売上高は1.6%減の61億300万ユーロ、輸送量は5.1%増の519万8,000TEU(20フィートコンテナ換算)。TEU当たりの海上運賃は通期平均で1,532米ドルとなり、2.4%減少した。

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