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2012/4/4

総合 - ドイツ経済ニュース

技能労働者の移住基準引き下げで与党合意

この記事の要約

独与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の3党は3月28日、欧州連合(EU)域外からの技能労働者移住に関する法案の内容で合意した。技能労働者の確保に向けて移住基準の引き下げを狙った同法案に […]

独与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の3党は3月28日、欧州連合(EU)域外からの技能労働者移住に関する法案の内容で合意した。技能労働者の確保に向けて移住基準の引き下げを狙った同法案に対しては、CSUが反対し調整が難航していた。今後、連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)で審議・可決され、夏季休会前に施行される見通しだ。

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同法案は09年に発効したEU指令を国内法に転換するもので、高い技能を持つ移民にEU共通の労働許可証「ブルーカード」を発行。移住の基準を引き下げることで医師、看護師、エンジニアなどの人材不足を緩和する。

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ドイツはこれまで、EU域外の外国人に永住権を付与する場合、職種に関係なく年収(税・社会保険料込)6万6,000万ユーロ以上を条件としてきた。EU指令を踏まえ11年11月に閣議了承された法原案では、ブルーカードの発行条件を◇大卒かつ年間給与4万4,000ユーロ以上◇エンジニア、ICT専門家、医師など特に人材不足が著しい職種の有資格者については年間給与3万3,000万ユーロ以上――としていたが、CSUが「基準が低すぎる」と難色を示していた。与党3党はこの額をそれぞれ4万4,800ユーロ、3万4,900ユーロに引き上げることで合意にこぎつけた。

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