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2012/4/4

経済産業情報

皮膚細胞から神経幹細胞作成、2チームが同時に成功

この記事の要約

皮膚細胞の1種でコラーゲン蛋白を合成・分泌する結合組織細胞から誘導神経幹細胞(iNSC)を作成することに、マックス・プランク分子生物医学研究所(MPI-MBM)を中心とする独韓の研究チームと、ボン大学の研究チームがそれぞ […]

皮膚細胞の1種でコラーゲン蛋白を合成・分泌する結合組織細胞から誘導神経幹細胞(iNSC)を作成することに、マックス・プランク分子生物医学研究所(MPI-MBM)を中心とする独韓の研究チームと、ボン大学の研究チームがそれぞれ成功した。iNSCは人工多能性幹細胞(iPS細胞)に代わる再生医療技術として注目を集めており、今回の成果でiNSC研究に一段と弾みがつきそうだ。

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従来の幹細胞研究では、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞など、あらゆる臓器や器官を形成する能力のある「分化万能性(Pluripotency)」を持つ細胞が中心だったが、◇分化誘導に時間がかかる◇がん細胞などの腫瘍に分化する可能性――などの問題があった。このため、神経幹細胞など分化の方向がある程度定まっている(分化多能性)幹細胞への関心が高まっている。

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MPI-MBMと韓国・建国大学の独韓チームは、マウスの線維芽細胞に、iPS細胞を作る5種類の因子(Brn4/Pou3f4、Sox2、Klf4、c-Myc、E47/Tcf3)を導入し、iPS細胞を介さずに直接、神経幹細胞を誘導する(これを「ダイレクト・リプログラミング」という)ことに成功した。

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ボン大学のチームは、Oct4、Sox2、Klf4、c-Mycの4因子を用いて同じくマウスの線維芽細胞からiNSCを作成した。

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両チームの研究結果はいずれも『Cell Stemm Cell』誌(オンライン版3月22日)に掲載された。

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