ストライキが行われると争議とは本来関係のない企業もしわ寄せを受けることがある。その場合、被害を受けた企業は損害賠償を請求できるのだろうか。この問題に関する係争でフランクフルト労働裁判所が3月27日に判決(訴訟番号: 10 Ca 3468/11)を下したのでここで取り上げてみる。
\裁判を起こしたのは航空管制官労組GdFが2009年春に実施したストで経済的な損失を受けたルフトハンザなど航空会社4社。
\シュツットガルト空港に勤務する航空機誘導員は同年3月3日からストを実施。その際、GdFに属する管制官22人はこれを支援するストを4月6日に行った。
\同支援ストは裁判所の命令を受けて同日中に中止された。これを受けて被害を受けたルフトハンザとエア・ベルリン、TUIフライ、ジャーマンウィングスは、支援ストは違法だったとして損害賠償請求訴訟を起こした。
\原告4社は第1審のフランクフルト労裁で敗訴した。判決理由で裁判官は、支援ストは裁判所の命令を受けて速やかに打ち切られており、GdFに落ち度はなかったと指摘。そのうえで、ストで第3者が被害を受けるのはことの性質上、避けられないとして、GdFに損害賠償を支払う義務はないとの判断を示した。
\裁判官は控訴を認めており、判決は確定していない。
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