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2012/4/25

経済産業情報

病原性大腸菌に対する新たな抗菌ペプチド発見

この記事の要約

細菌性免疫刺激剤「Symbioflor 2」(独SymbioPharm社が開発・製造)に含まれる大腸菌(E.coli)から、病原性大腸菌に対する抗菌活性を持つ新たな超小型ペプチド(ミクロシン)を発見することにドレスデン工 […]

細菌性免疫刺激剤「Symbioflor 2」(独SymbioPharm社が開発・製造)に含まれる大腸菌(E.coli)から、病原性大腸菌に対する抗菌活性を持つ新たな超小型ペプチド(ミクロシン)を発見することにドレスデン工科大学の研究チームが成功した。ミクロシンはこれまでに14種類しか知られておらず、今回の発見は15種類目という。

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ミクロシンは細菌が生産するタンパク質性の抗菌物質(バクテリオシン)のうち、非常に低分子のものを指す。バクテリオシンの抗菌活性の幅は狭く、同種または類縁種に限られることから、バクテリオシン生産菌が競合する(バクテリオシン非生産)菌の発育を阻害し生態系内で優位に立つために、進化の過程で獲得された遺伝形質と考えられている。

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ドレスデン工大の研究チームはSymbioPharm社と協力し、「Symbiflor 2」に含まれる6種類の大腸菌を分析。「E.coli G3/10」と呼ばれる大腸菌から腸管病原性大腸菌(EPEC)「E.coli E2348/69」に対し抗菌活性を持つ未知のミクロシンが作られることを発見した。ヒト腸の上皮細胞を用いて試験管内で観察したところ、E.coli E2348/69が上皮細胞に接着するのを妨ぐ効果があることが確認された。

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今回の研究の成果はPLoS ONE(オンライン版)で閲覧できる。

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