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2012/5/9

企業情報

HeidelbergCement AG―エネルギーコストなど直撃―

この記事の要約

セメント大手の独HeidelbergCementが3日発表した2012年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益は1,400万ユーロとなり、前年同期(6,000万ユーロ)の4分1以下に落ち込んだ。エネルギーと物流コストの上 […]

セメント大手の独HeidelbergCementが3日発表した2012年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益は1,400万ユーロとなり、前年同期(6,000万ユーロ)の4分1以下に落ち込んだ。エネルギーと物流コストの上昇が直撃。セメント焼成炉の保守点検作業をほぼ全面的に第1四半期に前倒ししたことも響いた。売上高は8%増の27億9,900万ユーロ。最終損益は1億5,500万ユーロの赤字で、損失幅は前年同期の1億2,000万ユーロから膨らんだ。

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同社はコスト削減に向けて物流費とエネルギー費を圧縮する方針。エネルギー費用の節減では価格が下落している東アジアのスポット市場で石炭を調達する。また、シェールガスの登場で天然ガス価格が下落していることを受け、セメント焼成炉の燃料を漸次、石炭から天然ガスへと切り替えていく。今年はエネルギーコストの上昇率を5%に抑える意向だ。

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経営陣は2012年通期決算で、売上成長と営業増益を確保するとした従来予測を据え置いた。中国不動産バブルの崩壊が起きていないこと、米国経済の回復、欧州債務危機の小康化をプラス材料としている。

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