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2012/5/9

経済産業情報

国際印刷機材展、出展者が減少

この記事の要約

デュッセルドルフで4年に1度開催される国際総合印刷機材展「Drupa 2012」が3日、開幕した。デジタルメディアの普及などを背景に印刷需要が低迷していることを受けて、出展者数は前回より100社以上少ない1,850社に減 […]

デュッセルドルフで4年に1度開催される国際総合印刷機材展「Drupa 2012」が3日、開幕した。デジタルメディアの普及などを背景に印刷需要が低迷していることを受けて、出展者数は前回より100社以上少ない1,850社に減少。期間中の来場者も前回を4万人下回る35万人にとどまる見通しだ。

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印刷機業界は08年の金融・経済危機をきっかけとする印刷需要後退の直撃を受けた。その後の景気回復を受けて販売は上向いているものの、出版・印刷需要に対する先行き不透明感から投資に慎重な顧客が多く、08年以前の水準を大きく下回っている。

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業界の苦境は企業の見本市参加予算にもはっきりと表れている。専門誌『Horizont』の関係者によると、今回の開催ではイベントの司会や通訳、ホステスなどの現場スタッフを依頼する出展者がこれまでになく減少した。イベントスタッフ仲介を手がける代理店は「出展予算が削減され、人を頼む余裕がない」として断られたケースが大半とため息をつく。

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デジタルメディアの拡大による新聞・雑誌など大量印刷物の需要減を受け、印刷機メーカーは従来のアナログ印刷機から少部数印刷に向くデジタル印刷機へのシフトを加速している。オフセット印刷機械大手の小森コーポレーションは4月、デジタル印刷機の分野でイスラエルのハイテク企業Landaと提携。今月2日にはハイデルベルガー・ドゥルックマシーネンもLandaとの提携を発表した。

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印刷機業界は今回の見本市が新規受注獲得の大きなチャンスとなることに期待を寄せる。ハイデルベルガー・ドゥルックはセールス担当者の4分の1に当たる1,000人を見本市に派遣。来場者とのビジネスコンタクトを通した顧客獲得に全力を挙げる方針だ。

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