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2012/5/30

経済産業情報

スイス当局がBMWに罰金1.3億ユーロ

この記事の要約

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は24日、独高級車大手のBMWが行った新車販売の制限措置は競争法に違反するとして、同社に1億3,000万ユーロの課徴金支払いを命じた。COMCOが国外企業に科す罰金としては過 […]

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は24日、独高級車大手のBMWが行った新車販売の制限措置は競争法に違反するとして、同社に1億3,000万ユーロの課徴金支払いを命じた。COMCOが国外企業に科す罰金としては過去最高額。BMWは「違法行為の事実はない」として、スイス連邦行政裁判所に提訴する方針を表明している。

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COMCOは「国外で(あるいは国外のディーラーから)BMWの新車購入を拒否された」とする消費者からの苦情が2010年下半期に入って急増したことを受けて同年10月、カルテル調査を開始した。この結果、BMWはEEA(欧州経済領域:EU27カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの30カ国。スイスは含まれない)域内の契約ディーラーに対し、BMWとMINIブランドの新車をEEA域外の顧客に販売しないよう契約書で義務づけていたことが判明。独『ハンデルスブラット(オンライン版)』紙によると、COMCOの職員は覆面で国外ディーラーからの新車購入を試みたものの、全て断られたという。COMCOはこれらの事実からBMWを「クロ」と認定し、同社の過去3年間のスイス売上高の約5%に当たる制裁金を課した。

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BMWの広報担当者は、問題となっている契約条項について事実を認めたものの、「輸出禁止を意図したものではない」と説明。また、◇契約ディーラーにはスイスからの顧客もEEA地域の顧客と同等に扱うよう周知を徹底してきた◇スイス在住の顧客は昨年、BMW/MINIブランドの新車を計500台輸入している――と反論し、販売を制限した事実はないと強調した。

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