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2012/5/30

経済産業情報

独大学・研究所、外部資金への依存高まる

この記事の要約

ドイツ研究振興協会(DFG)は24日、国内大学・研究機関の研究費の財源に関する報告書を発表した。それによると、州や国からの2009年の交付金は155億ユーロで、1998の126億ユーロから23%増加。一方、政府や財団、民 […]

ドイツ研究振興協会(DFG)は24日、国内大学・研究機関の研究費の財源に関する報告書を発表した。それによると、州や国からの2009年の交付金は155億ユーロで、1998の126億ユーロから23%増加。一方、政府や財団、民間企業などによる公募助成金(外部資金)は2倍以上の53億ユーロに増加し、研究費全体に占める外部資金の割合は16%から26%へと拡大した。

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外部資金の提供者のうち拠出額が最も高いのはDFGで、全体のおよそ35%を占める。次いで多いのは連邦省(連邦教育研究省、経済技術省など)と欧州連合(EU)で、3者合わせた拠出額は外部資金全体の6割強に上る。

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DFGから08~10年に獲得した助成金額が最も高かった大学はアーヘン工科大学。2位はミュンヘン大学、3位はベルリン自由大学だった。トップ20大学の助成額合計が全体に占める割合は60%を超えた。

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DFGのマティアス・クライナー会長は、研究機関に競争原理が導入されることを基本的に歓迎する一方で、助成金獲得の成否で研究者に格差が生じるなどの弊害があることも指摘。懸念を表明した。

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