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2012/6/6

経済産業情報

5年間不使用の商標は登録抹消

この記事の要約

1993年に死亡した米国のミュージシャン、フランク・ザッパの欧州共同体商標「ZAPPA」をめぐる係争で、独最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は5月30日、同商標は保護の対象にならないとの判断を示した。登録から5年間、1度も […]

1993年に死亡した米国のミュージシャン、フランク・ザッパの欧州共同体商標「ZAPPA」をめぐる係争で、独最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は5月30日、同商標は保護の対象にならないとの判断を示した。登録から5年間、1度も使用されておらず、登録抹消の対象になると指摘。ザッパの名を冠した音楽祭「Zappanale(ザッパナーレ)」は同商標を侵害していないとして、音楽祭の名称変更を求める遺族の訴えを棄却した。(訴訟番号:I ZR 135/10-Zappa)

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被告のArf-Societyは1990年から、ザッパの作品を演奏する「ザッパナーレ」を開催し、ザッパナーレのブランド名で録音やグッズの販売も行っている。

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フランク・ザッパの遺族が運営する財団法人は、「ザッパナーレ」の名称は同財団が保有するZAPPAの商標を侵害しているとして、使用差し止めと損害賠償を求めて提訴。これに対しArf-Society側も、同商標が使用されていないことを理由に商標取り消しを求めて反訴していた。

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BGHの裁判官は、欧州共同体商標(CTM)の商標保有者は登録から5年間、EU加盟国で真正に使用する義務があると指摘。原告は当該の商標を共同体商標規則に則った方法では1度も使用しておらず、不使用による登録取り消しが適用されると結論づけた。原告が運営するウェブサイト「zappa.com」で商標が使用されているとする主張については、「ユーザーはzappa.comというサイト名から、フランク・ザッパという人物に関する情報サイトだとまず考え、ZAPPAブランドと結び付けては考えない」と言明、商標としての使用には当たらないとして退けた。

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