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2012/7/4

企業情報

Telekom Austria AG―メキシコの富豪が墺TA株25%超を取得へ―

この記事の要約

ラテンアメリカ最大の移動通信サービス事業者であるAmerica Movil(メキシコ)のオーナー、カルロス・スリム氏は墺同業 Telekom Austria(TA)の株式25.9%を取得する意向だ。墺独禁当局が2日明らか […]

ラテンアメリカ最大の移動通信サービス事業者であるAmerica Movil(メキシコ)のオーナー、カルロス・スリム氏は墺同業 Telekom Austria(TA)の株式25.9%を取得する意向だ。墺独禁当局が2日明らかにしたもので、同当局は今後、4週間の審査を実施。独禁法上の疑念がある場合はさらに本格審査を実施する。同取引に対してはオーストリア経済省も審査を行う。

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America Movilはクロアチア系の投資家ロニー・ペキック氏からTA株21%を譲り受けて出資比率を22.76%に引き上げる考え。スリム氏はこのほか、不動産子会社Inmobiliaria Carsoを通してTA株3.14%を保有しており、ペキック氏が持つ21%を取得すると出資比率は25.9%に達し、墺国営投資会社OeIAG(同28.4%)に次ぐ第2位株主となる。

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オーストリアでは戦略上重要な企業に欧州連合(EU)、欧州経済領域(EEA)およびスイス以外の企業が25%以上、出資する場合、貿易法の規定に基づき経済省が審査を実施する。

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America Movilはオランダの通信大手KPNに対しても敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛け、株式27.7%を確保した。KPNの株主総会には通常、44%程度の株主しか出席しないため、America Movilは今後、KPNを実質的な支配下に置く意向だ。

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